宅配便がテーマの乗り物絵本「はしれ!たくはいびん」

「はしれ!たくはいびん」 育児

はしれ!たくはいびん

「はしれ!たくはいびん」
「はしれ!たくはいびん」

竹下文子さんと鈴木まもるさんご夫妻の乗り物絵本シリーズのひとつ、「はしれ!たくはいびん」。2005年の全国学校図書館協議会・選定図書、2006年の日本子どもの本研究会選定図書にも選ばれている、宅配便をテーマにした、大人も子供も勉強になり楽しめる、おすすめの絵本です。

あらすじ

北国のおじいちゃん、おばあちゃんがりんごを箱に詰め、宅配便に預けます。りんごの箱は、宅配便の営業所で大きなトラックに積み替えられ、宅配便の仕分けセンターで仕分けされ、更に大きなトラックに積み込まれます。大きなトラックは真夜中の高速道路を走り、別の仕分けセンターに到着。また別のトラックに積み替えられ、町の営業所へ。そしてようやく、お孫ちゃんの住むマンションの一室にりんごが届きます。おじいちゃん、おばあちゃんの住む北国から、お孫ちゃんの住む町までの宅急便の旅を描く乗り物絵本です。

対象年齢

2歳くらいの子供から楽しめる絵本です。我が家は4歳の長男が楽しく読んでいました。自分で文字も読めるようになってきたので、気づくと絵本を開いて1人で読んでいることもあるくらい大好きな乗り物絵本です。

乗り物大好きな2歳~4歳くらいの子供はもちろん、宅配便の仕事の流れがとってもわかりやすく描かれているので、もう少し大きくなってから改めて読んでみても、新たに感じるものがありおもしろいのではないかと思います。

レビュー

我が家の長男が3歳で出会って夢中になった竹下文子さんと鈴木まもるさんコンビによる乗り物絵本シリーズのひとつです。ピンポンとチャイムが鳴るたびに「ヤマトさん?」「サガワさん?」と気になって仕方がない長男にぴったりの絵本でした。ショベルカーやダンプカーなど、工事現場の乗り物絵本が多い中、宅配便にフォーカスした絵本は珍しいのではないでしょうか。乗り物好きの男の子はもちろん、生活に密着したお話とやさしい絵のため、女の子でも楽しめる乗り物絵本だと思います。

北国のおじいちゃん、おばあちゃんのおうちから、お孫ちゃんが住むおうちまで、どのようにして荷物を運ぶのかが、テンポ良く、とっても分かりやすく描かれています。宅配便って、こんなにたくさんの車に乗って、こんなにたくさんの人の手に渡りながら手元に届くんですね。当たり前のことですが、この絵本を読んで、大人の私も改めてひとつの荷物を受け取ることのありがたさを感じました。

おじいちゃんとおばあちゃんが詰めたりんごの箱という1つの荷物を追うことで、荷物が届けられるまでの工程を臨場感たっぷりに、とても分かりやすく描いていて、とてもよくできた絵本だと思います。子供はもちろん大人も勉強になる、子供と一緒に楽しめる絵本です。

鈴木まもるさんが描く絵には遊び心があり、絵本のストーリー以外でも楽しいポイントがあります。営業所や仕分けセンターで荷物を下ろしたり積んだりする場面では、おじいちゃん、おばあちゃんが送ったりんごの箱がどこにあるのか探すのに夢中♪宅配便の車がそれぞれのおうちに立ち寄る場面では、車が通る道を表した矢印を指で追いかけて楽しんでいました。そして竹下文子さんと鈴木まもるさんコンビによる乗り物絵本シリーズは、他の絵本に出てくる乗り物が登場するため、「はしれ!たくはいびん」でも他の絵本で出てきた乗り物探しが始まり、「ピン・ポン・バス」に出てきたバスらしきものを発見して大喜び♪その他、このシリーズの絵本によく出てくる「鳥の巣研究所」がいつも気になっていたのですが、鈴木まもるさんは鳥の巣研究家でもあるそうです。

竹下文子さんと鈴木まもるさんコンビによる乗り物絵本シリーズはどれも子供ウケがよくおすすめですが、「はしれ!たくはいびん」は特に身近なお話なので、大人も子供も勉強になり楽しめる絵本だと思います。

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